マウスピース矯正を行う際、日常生活で気をつけるべきことの一つが「飲み物」です。特に着色や虫歯のリスクを考慮して、飲むものを選ぶことが大切です。マウスピース矯正は見た目が目立たないことが特徴ですが、間違った飲み物を選ぶとそのメリットが損なわれたり、歯の健康に悪影響を与える可能性があります。今回は、マウスピース矯正中に飲むべき避けるべき飲み物について説明していきます。
着色のリスクについて考えてみましょう。色の濃い飲み物、例えばコーヒーや紅茶、赤ワインなどを装着したまま飲むと、マウスピース自体に着色が発生することがあります。マウスピースは透明であるため、その透明感が損なわれると、せっかくの目立たない矯正が台無しになってしまいます。着色そのものが矯正の効果に影響を与えるわけではありませんが、見た目の印象が悪くなることは避けたいものです。こうした飲み物を飲む際は、必ず外してから飲むようにしましょう。そして、飲んだ後には歯を磨くか、水で口をしっかりゆすぐことをお勧めします。
糖分を含む飲み物も注意が必要です。甘いジュースや炭酸飲料は、糖分が歯の表面やマウスピースの隙間に溜まり、虫歯や歯周病のリスクを高める原因となります。マウスピースを装着していると、唾液の流れが遮られるため、唾液が持つ抗菌作用や歯を守る効果が弱まります。結果として、糖分が長時間歯に残ることで、虫歯ができやすくなるのです。特に、スポーツドリンクやフルーツジュースなどは酸性の飲み物も多いため、歯のエナメル質にダメージを与える可能性もあります。マウスピース矯正中は、これらの飲み物も極力避けるか、飲んだ後にしっかりケアをすることが重要です。
また、熱い飲み物も避けるべきです。例えばホットコーヒーやお茶、スープなどを飲む際にマウスピースを装着していると、熱によって変形するリスクがあります。一度変形してしまうと、歯を正しく動かす機能を失い、最悪の場合、新しいマウスピースを作り直す必要が出てきます。特に寒い季節は、無意識に温かい飲み物を選びがちですが、飲む際には必ずマウスピースを外すことを心がけましょう。
では、マウスピース矯正中に安心して飲める飲み物は何かというと、基本的に「水」や「糖分の入っていない炭酸水」が最適です。これらはマウスピースに影響を与えないため、装着したままでも安心して飲むことができます。ただし、炭酸水でも甘味料が含まれているものは避けるべきです。商品のラベルをよく確認し、無糖のものを選ぶようにしましょう。また、柑橘系のフレーバー付きの炭酸水も、酸性度が高いため、長時間の摂取は歯に影響を与えることがあります。
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と違って取り外しが可能なため、飲み物に関しては比較的自由度が高い治療法です。しかし、それでも注意を怠ると、治療の進行を妨げるだけでなく、見た目や口腔内の健康にも影響を与える可能性があります。飲む物を選ぶ際には、着色や糖分、熱さに気をつけ、必要に応じてマウスピースを外すように心がけることで、安心して矯正治療を進めることができるでしょう。